ル・コルビュジェ 建築の詩


12の住宅の空間構成 富永 讓著

私が、富永さんの事務所にお世話になった日から24年の月日が過ぎて、この本を図書館から借りて読んでいるとその当時のことが懐かしく思われる。上田の住宅、小田原の住宅を建築雑誌(建築文化)で見て、富永さんに興味を持ち事務所に面接に行ったのは、専門学校の卒業も近い冬の頃だったと思う。事務所に通い始めた時すでにSDの近代住宅の再発見は終わっていて、ル・コルビュジェの1/50の模型は棚の上に並べられていた。私の最初の仕事は、経堂の住宅の模型作りから始まった。まず1/50の模型、そして1/20の模型と進められた。その当時、武蔵新城の住宅(富永さんの自邸)が完成しようとしていた時だった。何度かその現場に行き、引っ越しの手伝い、また完成してから何度かお邪魔をし、一晩泊めてもらったりもした。富永さんの事務所にいた最初の半年間、ル・コルビュジェを知り、模型を作り、初給料をもらい、何も分からなかった私に大きな影響を与えてくれた富永さんの原点のような(私にとっても建築の原点のような)この本が出版されたことをうれしく思います。
ル・コルビュジェ 建築の詩

Posted: 月 - 4月 26, 2004 at 10:11 午前          


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